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特定工作物17種のアスベスト事前調査|資格区分と除外規定

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

特定工作物17種のアスベスト事前調査|資格区分と除外規定

特定工作物の事前調査では、対象の種類によって確認すべき調査者の区分が異なります。設備の名称だけで決めず、令和2年厚生労働省告示第278号の名称と除外規定を確認したうえで、令和2年厚生労働省告示第276号の区分を照合します。

設備保有者が発注前に用意したいのは、設備名称、設置状況、工事範囲、既存図面です。個別の設備が特定工作物に該当するかは一律に判断せず、工事の内容が分かる資料を基に、必要に応じて所轄窓口へ確認します。

特定工作物17種とは(正式名称と除外規定の早見表)

特定工作物17種と告示の役割を整理した早見図
特定工作物17種と告示の役割を整理した早見図

特定工作物は、石綿等が使用されているおそれが高いものとして定められた工作物です。17種の名称を定めるのは令和2年厚生労働省告示第278号であり、土地、建築物または工作物に設置されている、または設置されていたものに限られます。

石綿障害予防規則第3条第4項では、事前調査を必要な知識を有する者に行わせることを定めています。規則の現行版の最終改正施行日は2026-04-01であり、以下の名称、除外規定、調査者の区分は2026-09-06に確認しています。

告示上の17種を号順・括弧書き付きで確認する

令和2年厚生労働省告示第278号 は、特定工作物を次の号順で定めています。発注書や図面に使われる呼び方と告示上の名称が異なる場合があるため、略称だけで判定せず、原文の名称で照合します(2026-09-06確認)。

告示第278号の号正式名称括弧書きの条件
1反応槽なし
2加熱炉なし
3ボイラー及び圧力容器なし
4配管設備建築設備を除く
5焼却設備なし
6煙突建築設備を除く
7貯蔵設備穀物を貯蔵するための設備を除く
8発電設備太陽光発電設備及び風力発電設備を除く
9変電設備なし
10配電設備なし
11送電設備ケーブルを含む
12トンネルの天井板なし
13プラットホームの上家なし
14遮音壁なし
15軽量盛土保護パネルなし
16鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板なし
17観光用エレベーターの昇降路の囲い建築物であるものを除く

17種の名称を定める告示と、調査を行う者の区分を定める告示は役割が違います。番号が同じように見えても、令和2年厚生労働省告示第278号の号と、令和2年厚生労働省告示第276号の号を混ぜないことが重要です。

配管、煙突、貯蔵設備、発電設備で確認する除外規定

配管設備は、建築物に設ける給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙設備等の建築設備を除きます。煙突も、建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除くと定められているため、名称に「配管」や「煙突」が入るだけでは結論を出せません。

貯蔵設備は穀物を貯蔵するための設備を除き、発電設備は太陽光発電設備と風力発電設備を除きます。送電設備にはケーブルが含まれ、観光用エレベーターの昇降路の囲いは建築物であるものを除くという条件もあります。

これらの除外規定は、17種を列挙するときに省略しないことが大切です。設備の実際の構造、設置先、工事部分により該当性が変わり得るため、一般的な説明と個別案件の判断を切り分けて確認します。

工事で確認する調査者の区分

告示第278号の17種を告示第276号第4号・第5号へ照合する図
告示第278号の17種を告示第276号第4号・第5号へ照合する図

特定工作物の17種は、全て同じ調査者の区分で扱うわけではありません。令和2年厚生労働省告示第276号は、令和2年厚生労働省告示第278号の号を二つのグループに分け、事前調査を行う者の区分を定めています。

工作物に関する資格者調査は、2026-01-01以降に着工する工事で施行済みです。建築物の調査者の区分と同じ言葉でまとめず、対象がどの告示のどの号に該当するかを確認してから、依頼先に調査者の区分を確認します。

告示第278号第1〜5号・第7〜11号の10種で確認する資格区分(告示第276号第4号)

令和2年厚生労働省告示第276号第4号は、令和2年厚生労働省告示第278号の第1号から第5号まで、および第7号から第11号までの10種を対象にしています。このグループの事前調査は、工作物石綿事前調査者が行う区分です(令和2年厚生労働省告示第276号、2026-09-06確認)。

対象となる名称は、反応槽、加熱炉、ボイラー及び圧力容器、配管設備、焼却設備、貯蔵設備、発電設備、変電設備、配電設備、送電設備です。ただし、名称の確認には告示第278号にある括弧書きの除外規定も合わせて必要です。

告示第278号第6号・第12〜17号の7種で確認する資格区分(告示第276号第5号)

令和2年厚生労働省告示第276号第5号は、令和2年厚生労働省告示第278号第6号および第12号から第17号までの7種を対象にしています。このグループは、一般建築物石綿含有建材調査者、特定建築物石綿含有建材調査者、または工作物石綿事前調査者が行う区分です(令和2年厚生労働省告示第276号、2026-09-06確認)。

該当する名称は、煙突、トンネルの天井板、プラットホームの上家、遮音壁、軽量盛土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板、観光用エレベーターの昇降路の囲いです。登録講習機関の講習修了者に関する正式名称を用い、呼び方を省略して確認しないことが必要です。

設備保有者が発注前に整理する情報

設備保有者が図面・名称・設置状況・工事範囲を整理する図
設備保有者が図面・名称・設置状況・工事範囲を整理する図

発注前の準備では、対象設備の名称と工事の範囲を一枚の図面または一覧にまとめます。調査者の区分の確認は依頼先任せにせず、設備保有者側も何を撤去・改修するのかを具体化して伝えます。

設備名称、設置状況、工事範囲、図面を照合する

設備台帳、系統図、配置図、改修履歴があれば、工事対象の設備に対応する資料を集めます。設備が土地、建築物、工作物のどこに設置されているか、既に撤去されている部分を含むかも確認します。

次に、撤去、切断、補修、更新など予定作業と、その作業が及ぶ部位を示します。名称が近い設備を一括りにせず、告示上の名称、除外規定、工事範囲を並べて整理することで、依頼時の認識違いを減らせます。

迷う設備を扱うときの確認順

個別該当性を断定せず資料と所轄窓口で確認する流れ
個別該当性を断定せず資料と所轄窓口で確認する流れ

設備が17種に当たるか迷う場合は、設備名だけから結論を急がず、告示の名称と除外規定を確認します。そのうえで、設置状況と工事範囲が分かる資料をそろえ、必要に応じて所轄の労働基準監督署または都道府県の窓口へ確認します。

一般解説と個別の該当性判断を分けて確認する

一般解説では、告示第278号が17種の名称と除外規定を定め、告示第276号が調査を行う者の区分を定めるところまで確認できます。しかし、特定の設備がどの工作物に当たるかは、構造や設置先を含む個別の事情によるため、記事の説明だけで決めません。

発注側は、候補となる設備を資料に記し、調査の対象外とした理由も確認できるようにします。事前調査の基本的な対象と確認方法は、アスベスト事前調査の義務の対象と手続の違い を、報告の規模要件はアスベスト事前調査結果の報告対象 を参照してください。

よくある質問

特定工作物17種と調査者の区分に関するFAQ図
特定工作物17種と調査者の区分に関するFAQ図

17種はすべて同じ資格の調査者が必要か

いいえ。特定工作物の17種は令和2年厚生労働省告示第278号が号ごとに定めています。令和2年厚生労働省告示第276号は、そのうち第1号から第5号まで及び第7号から第11号までの10種を第4号で、第6号及び第12号から第17号までの7種を第5号で、それぞれ事前調査を行う者の区分に振り分けています(令和2年厚生労働省告示第276号令和2年厚生労働省告示第278号、2026-09-06確認)。

配管や煙突は必ず特定工作物か

告示には除外規定があります。例えば配管設備では建築設備、煙突では建築物に設ける排煙設備等が除かれます。個別案件の該当性は所轄窓口等で確認します(令和2年厚生労働省告示第278号、2026-09-06確認)。

2026年1月以降に着工する工事で何を確認するか

特定工作物の事前調査では、工事対象が告示上のどの区分に当たるか、対応する調査者の区分、工事範囲を確認します。工作物に関する資格者調査は2026-01-01以降に着工する工事で施行済みです(石綿障害予防規則第3条第4項、令和2年厚生労働省告示第276号、2026-09-06確認)。

まとめ

特定工作物17種の名称と除外規定は令和2年厚生労働省告示第278号、調査を行う者の区分は令和2年厚生労働省告示第276号で確認します。設備名だけで該当性を決めず、図面、設置状況、工事範囲を整理してから、必要な調査者の区分を照合することが重要です。

法令・制度に関する次の確認事項は、アスベスト事前調査の義務の対象と手続の違いアスベスト事前調査結果の報告対象ブログ記事一覧 で確認できます。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。石綿障害予防規則の事前調査義務・資格者制度・調査費用の構造について、e-Gov・厚生労働省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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