コラム

大気汚染防止法改正 すべての建物工事で調査義務化へ

政府は建物の解体時にアスベスト(石綿)を使ったレベル1~3すべてを対象とし、石綿の飛散防止を義務付ける大気汚染防止法改正案を閣議決定し致しました。
これまで対策を義務付けていた吹付石綿(レベル1)や石綿含有断熱材、石綿含有耐火被覆材(レベル2)だけでなく、石綿含有成形板(レベル3)も対象に加え、
石綿による肺がんなどの健康被害を防ぐため対策を徹底致します。

解体前に現地で行う石綿含有調査と報告が、すべての石綿含有建材に拡大し年間の対象件数は約200万件に達する見込みです。
石綿を含む建物の解体・改修工事は現制度下では年間約1万6千件だが、改正後は5~20倍に増えます。
解体・改修工事に先立ち行う事前調査について、調査方法を法定化させ
書面調査や目視による現地調査などを行うことと条文に明記し元請け事業者や施工事業者に対し、調査記録の作成や保存なども義務付けます。

事前調査結果の報告義務違反で30万円以上の罰金、レベル1、2建材の除去で必要な措置の義務違反には3か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
事前調査には石綿に関する一定の知識を持つ者とし、環境省や厚生労働省など関係省庁が整備した「建築物石綿含有建材調査者講習」の終了したものを基本とする考えです。
法案成立後に環境省令で規定する予定です。
講習修了者は19年度末の見込みで2000人程度しかおらず、事前調査を担う人材も必要なことから、環境省や厚生労働省など関係省庁は連携して3年程で30万~40万人の育成を行うとの事です。

2020年5月2日