アスベスト分析調査者の資格|着工日を基準に確認する条件
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
アスベストの分析調査は、必要な知識と技能を有する者として定められた者に行わせます。分析調査を行う者の要件は2023-10-01に施行済みであり、建築物または特定工作物の事前調査を行う資格者とは、根拠と確認する場面が異なります。
根拠は石綿障害予防規則第3条第5項から第7項、令和2年厚生労働省告示第276号と第277号です。各条文と告示は2026-09-06に確認しています。特定工作物の資格者調査が2026-01-01以降着工の工事から求められることを、分析調査者の施行時期と混同しないことが重要です。
分析調査者の要件を先に確認する

分析調査者の確認は、石綿の有無が書面・目視の調査だけでは明らかにならず、分析が必要になった場面から始まります。事前調査を行う者と分析調査を行う者の名前を一つの資格として扱わず、担当する工程を分けて確認します。
| 確認する工程 | 主な根拠 | 発注時に見る書類 |
|---|---|---|
| 事前調査 | 石綿障害予防規則第3条第4項、告示276号 | 調査者の氏名・資格書類 |
| 分析調査 | 石綿障害予防規則第3条第5項・第6項、告示277号 | 分析を行う者の要件・報告内容 |
| 調査結果の記録 | 石綿障害予防規則第3条第7項 | 判断根拠・試料採取場所 |
分析調査を行う者として定められた条件
石綿障害予防規則第3条第6項は、分析調査を必要な知識および技能を有する者として厚生労働大臣が定める者に行わせることを定めています。令和2年厚生労働省告示第277号では、分析調査講習を受講し、修了考査に合格した者と、同等以上の知識および技能を有すると認められる者を掲げています。
見積を受け取るときは、分析を担当する者の役割と、報告書に記載される分析結果の対象を確認します。建築物の事前調査者の資格名だけから分析調査を担当する者を推測せず、事前調査と分析調査の担当をそれぞれ記録で確かめることが必要です。

2023年10月1日以降の着工日基準
告示277号の附則は、分析調査を行う者の要件を2023-10-01から施行すると定めています。工事の着工日が関わる資格者調査の説明では、分析調査の要件と、建築物・工作物の事前調査の要件を同じ日付として扱わないことが必要です。
建築物の資格者調査は2023-10-01以降に着工する工事、特定工作物の資格者調査は2026-01-01以降に着工する工事で確認します。一方、分析調査者の要件は告示277号による2023-10-01施行です。依頼書では、工事の着工日、分析が必要となった材料、調査を行う者の区分を別の欄で整理します。
工作物の調査者と混同しない

分析調査は石綿の有無が明らかにならない材料に関する工程です。特定工作物の資格区分は、解体・改修する工作物と着工日に関する工程です。両方が同じ工事で必要になることはあっても、根拠と確認する資料は分けます。
2026年1月の工作物要件との違い
石綿障害予防規則第3条第4項と告示276号は、特定工作物の事前調査を行う者を定めています。告示278号第1号から第5号までおよび第7号から第11号までの特定工作物は、告示276号第4号により工作物石綿事前調査者の区分を確認します。工作物関係は2026-01-01以降に着工する工事から施行済みです。
一方で、石綿等の使用の有無が明らかにならない材料について分析調査を行う根拠は、石綿障害予防規則第3条第5項・第6項と告示277号です。2026年1月を分析調査者の要件が始まった時期として書くと、工程と根拠が混ざります。見積では、設備または建築物の調査者と、分析を担当する者を分けて確認します。
資格名を省略しない理由
調査に関わる資格名には、建築物石綿含有建材調査者、工作物石綿事前調査者、分析調査を行う者に関する告示上の要件など、役割が異なるものがあります。見積書や報告書に略称だけが書かれていると、どの工程を誰が担当したかを確認しにくくなります。
発注者は、工事対象の建築物・工作物、事前調査、分析調査、報告書の作成を同じ言葉で書類に対応させます。資格を示す書類の写しは、石綿障害予防規則第3条第7項の記録事項です。担当者の氏名と担当工程が確認できるかを、受領時の確認項目に加えます。
見積と報告書で確認すること

調査の質を資格名だけで判断するのではなく、対象材料、採取場所、報告書の記載と結び付けて確認します。書類に残る情報を工事範囲と照合すると、調査後の追加確認が必要な場所も管理しやすくなります。
分析を担当する者を確認する
分析調査を依頼する際は、どの材料について、誰が分析調査を行うかを確認します。石綿障害予防規則第3条第5項では、事前調査後にも使用の有無が明らかにならないときに分析調査を行うと定めています。見積には、対象材料、採取の有無、検体の扱い、報告内容、納期を記載してもらいます。
分析方法の名称や単価だけでは、対象となる材料や報告内容が同じかは分かりません。現地の調査範囲、採取場所、工事で扱う部位を伝え、分析結果をどの事前調査記録に結び付けるかを確認します。
資格を示す書類を確認する
事前調査の記録には、調査を行った者の氏名と資格を証明する書類の写し、分析調査を行った者の氏名と資格を証明する書類の写しを残します。これは石綿障害予防規則第3条第7項第9号、第11号、第12号の記録事項です。
書類を確認するときは、氏名が見積書・調査記録・報告書で対応しているか、対象材料が工事範囲と合うかを見ます。個別の資格の該当性を発注側だけで決めず、依頼先に対象と担当工程を確認し、書面に残します。
調査記録に残る内容
石綿障害予防規則第3条第7項は、調査終了日、事前調査を行った部分、調査方法、材料ごとの使用の有無、石綿なしと判断した根拠を記録することも定めています。分析調査を行った場合は、試料採取場所も確認します。記録は調査終了日から3年間保存します。
アスベスト調査会社の選び方では、見積と報告書で確認する項目を整理しています。特定工作物17種のアスベスト事前調査と、アスベスト調査報告書の見方も確認できます。関連する記事は法令・制度解説から探せます。
資格を確認する依頼では、分析を行う者と事前調査を行う者の役割を、氏名、対象材料、工事範囲で分けます。調査者の資格証明だけで分析者の要件を代替したり、分析に関する資格だけで事前調査の範囲を判断したりしません。依頼書には、採取が必要になり得る材料、工事で触れる部位、既存資料の有無を記載し、調査記録に残る担当者と判断方法を確認します。工事中に新しい材料が見つかった場合も、既に確認した材料と新たな材料を区別して情報を共有します。
依頼書や見積書では、調査を行う者、分析を行う者、対象材料、採取の可能性、工事に係る部位を分けて確認します。過去の調査記録を使う場合も、その記録の対象範囲が今回の工事範囲と一致するかを見ます。現地で初めて確認できる材料があるときは、誰がその材料を確認し、どの記録に残すかを工程表とともに依頼先へ確認します。
よくある質問
- Q. 分析調査者と工作物石綿事前調査者は同じですか
- 同じではありません。分析調査を行う者の要件は石綿障害予防規則第3条第6項と告示277号に基づき、工作物の事前調査を行う者の区分は石綿障害予防規則第3条第4項と告示276号に基づきます。工程ごとの担当者と対象材料を見積・記録で確認します(石綿障害予防規則第3条、2026-09-06確認)。
- Q. 分析調査者の要件はいつから確認しますか
- 令和2年厚生労働省告示第277号の附則により、分析調査を行う者の要件は2023-10-01に施行されています。特定工作物の資格者調査が2026-01-01以降に着工する工事から施行済みであることとは、根拠と対象が異なります(令和2年厚生労働省告示第277号、2026-09-06確認)。
- Q. 資格をどう確認しますか
- 見積書では担当する工程と担当者を確認し、調査結果の記録では調査者の氏名と資格を証明する書類の写しを確認します。分析調査を行った場合は、その担当者の氏名と資格書類の写しも記録事項です(石綿障害予防規則第3条第7項、2026-09-06確認)。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.令和2年厚生労働省告示第276号(mhlw.go.jp)
- 3.令和2年厚生労働省告示第277号(mhlw.go.jp)