鉄道駅の地下式構造部分を改修する前のアスベスト事前調査
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板は告示第278号第16号に掲げられ、告示第276号第5号の資格区分を確認します。壁・天井板のどの部位を扱うかを工事範囲で整理し、駅全体という呼び方だけで調査対象を決めません。
告示第276号、告示第278号、石綿障害予防規則は2026-09-06に確認しました。地下駅では、旅客通路、ホーム、設備室などの区画と、壁・天井板の位置を対応させて依頼します。
地下式構造部分で確認すること

地下式構造部分の改修では、壁と天井板のほか、開口部、接続部、近接する設備のどこに作業が及ぶかを確認します。駅名や路線名だけでなく、階、区画、通路・ホームの別、図面の記号で位置を示します。
| 確認する項目 | 整理する内容 | 資料の例 |
|---|---|---|
| 壁・天井板 | 対象の区画、部位、位置 | 平面図、断面図 |
| 工事対象部分 | 改修、撤去、補修、開口の範囲 | 工事仕様書、工程表 |
| 設置状況 | 駅の階、通路・ホーム・設備室 | 駅構内図、現地写真 |
| 確認資料 | 設計図、改修図、点検記録 | 図面一覧、既存記録 |
| 現地条件 | 立入り時間、利用者動線、点検時間 | 作業計画、工程表 |
告示に掲げられる壁と天井板
告示第278号第16号は、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井板を掲げています。地下にある全ての壁・天井を一括して同じ対象と扱わず、駅のどの地下式構造部分で、どの壁または天井板を工事するかを確認します。
壁面の仕上げだけを改修する場合、天井板を撤去する場合、開口を設ける場合などで、確認する材料の位置は変わります。平面図と断面図に対象部位を示し、工事対象外の区画と混同しないようにします。
改修対象の部位を整理する
工事仕様書には、対象となる駅の階、区画、壁・天井板の位置、予定する作業を記載します。複数の施工区画に分かれるときは、区画ごとに図面番号や写真番号を添えます。使用中の駅では、立入り可能な時間帯も現地確認に関係します。
裏面や内部のように調査時に見えない部位がある場合は、位置と理由を記録します。工事で露出してから確認可能になる材料は、工程を調査者に共有し、確認のために連絡する時期を決めます。
調査者の資格を確認する

地下式構造部分の調査では、対象となる壁・天井板、工事の範囲、資格証明、着工日を同じ資料で確認します。担当者の資格名だけで、駅内の全ての部位への対応を推測しません。
5号グループの資格区分
壁または天井板が告示第278号第16号に当たるかを、地下式構造部分の位置と工事対象で確認します。依頼先には対象区画と図面を渡し、告示第276号第5号の区分に対応する調査者がどの範囲を確認するかを確認します。
着工日を基準に確認する
特定工作物に係る資格者調査の扱いは、2026-01-01以降の着工を基準に確認します。夜間の現地確認日、駅の利用制限日、工事開始日を分け、工程の変更時には対象範囲とともに確認します。
依頼時に確認する項目

依頼時には、図面、工事範囲、現地確認の条件、調査後の記録を照合できるようにします。駅の利用者動線に関する情報は現地確認の時期を調整するための資料であり、工事対象の部位を示す資料と分けて扱います。
図面と工事範囲
平面図、断面図、仕上表、改修図、点検記録を一覧にし、壁・天井板の対象区画を示します。古い図面では現況と異なる可能性があるため、現地写真の撮影位置と図面上の位置を対応させます。資料がない区画も明記します。
調査対象となる材料
調査対象は、解体または改修に係る部分の材料です。壁・天井板の表面、内部、接続部など、工事で触れる可能性がある部位を分けます。材料名や外観のみで石綿使用の有無を決めず、調査方法と判断根拠を記録で確認します。
調査結果の記録
調査終了後の記録には、調査した部分、方法、材料ごとの石綿等の使用の有無、判断根拠、調査を行った者と資格に関する事項が残ります。駅の階、区画、図面上の記号と、記録の部位名が対応しているかを確認します。
地下駅では、同じ階に通路、ホーム、設備室が連続している場合があります。工事する壁・天井板の位置を、階段、柱、出入口、区画番号など複数の情報で確認すると、調査対象を取り違えにくくなります。夜間工事などで工程が分かれるときは、各日に確認する区画と、工事後に露出する部位を工程表に記載します。既存資料と現地の状態が異なる場合は、図面の修正を待たず、相違する位置を写真と記録で共有します。
地下式構造部分の工事では、同じ駅名でも異なる階や区画で作業することがあります。工事資料には、階、通路・ホーム・設備室の別、壁・天井板の位置、区画番号を示します。表面の改修と天井板の撤去では対象となる部位が違うため、同じ区画の工事として一つの記載にまとめません。
現地確認の時間が限られる場合は、調査する区画、確認できない部位、工程で露出する部位を日ごとに整理します。既存の図面にない開口部や改修跡が見つかったときは、写真番号と位置を残し、調査記録の対象と工事仕様の対象が対応するようにします。使用中の通路やホームに近い場合も、利用者の動線を表す資料と工事する壁・天井板の資料を分けて共有します。
特定工作物のアスベスト調査、アスベスト調査会社の選び方、アスベスト調査報告書の見方では、対象部位と記録の確認点を整理しています。関連する記事は事例・ケースから探せます。

地下駅の工事範囲は、階、区画、通路・ホーム・設備室の別、壁・天井板の位置を組み合わせて示します。開口部や改修跡が工事中に見つかった場合には、図面の位置と写真番号を残し、既存の調査記録に含まれる部位かを確認します。
駅の工事では、対象区画の名称と図面番号を記録に残します。工事日が分かれる場合も、各日の壁・天井板の位置を同じ記号で確認します。
地下の通路やホームは、工事日ごとに利用できる区画が変わることがあります。調査した区画、確認できなかった部位、工事で露出する予定の位置を図面に分けて記録します。後日追加する工事については、駅名や階名だけで済ませず、壁・天井板の部位と工事範囲を改めて照合します。
壁・天井板の対象位置を同じ図面記号で記録に残します。
地下駅の改修では、同じ階に通路、ホーム、設備室があり、壁・天井板の位置を駅名だけで特定できないことがあります。図面の区画番号、柱、出入口、写真番号を組み合わせ、どの部位を工事するかを整理します。夜間の作業で確認する区画が分かれるときは、各日の対象を工程表に示します。工事中に開口部や改修跡が見つかった場合には、既存の記録にある部位と照合し、新たに確認する範囲を図面に追加します。
地下駅の調査依頼には、駅名に加え、階、通路・ホーム・設備室の別、区画番号、壁・天井板の位置、図面番号を記載します。現地確認が夜間などに分かれる場合は、各日に確認する区画と、工事で初めて見える部位を工程表に残します。既存の図面と現地の状態に相違がある場合は、写真番号と位置を記録し、調査記録にある対象と工事仕様書の対象を照合します。追加する工事があれば、その部位を新たに整理して依頼先に伝えます。
地下駅の区画を複数日に分けて確認する場合は、各日の対象壁・天井板を図面の同じ記号で残します。既存の写真に写らない部位が工事で露出したときは、写真の位置と工程を追加し、調査記録の対象を確認します。
工事対象の区画が増える場合には、階、区画番号、壁・天井板の位置を図面に追加し、既存の調査記録と照合します。
駅構内で使用する区画名と図面上の記号が異なる場合は、対応関係を一覧にします。調査日が複数になるときにも、各記録の対象部位を工事図面で追えるようにします。
よくある質問
- Q. 駅の地下ならすべて同じ扱いですか
- 同じ扱いとは限りません。鉄道の駅の地下式構造部分にある壁・天井板のどの部位を工事するかを確認し、通路、ホーム、設備室などの位置を図面で分けます。
- Q. 建築物の資格者でも調査できますか
- 対象区画、壁・天井板の位置、工事範囲を示し、告示第276号第5号の区分に対応する資格証明と、調査する範囲を依頼先に確認します。
- Q. 施設全体を一度に調べますか
- 工事に係る部分を確認します。施設全体という名称だけで範囲を広げず、工事する駅の階、区画、壁・天井板の部位を図面と仕様書で整理して依頼します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.石綿障害予防規則(laws.e-gov.go.jp)
- 2.石綿障害予防規則に基づく事前調査の実施に必要な知識を有する者(mhlw.go.jp)
- 3.工作物石綿事前調査者に係る工作物の範囲(mhlw.go.jp)