シーン・事例

トンネル天井板を改修・撤去する前のアスベスト事前調査

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

トンネルの天井板は告示第278号第12号に掲げられる工作物で、告示第276号第5号の資格区分を確認します。工事対象の部位と設置状況を整理し、個別の該当性は設備名称だけで決めずに資格者へ確認します。

告示第276号、告示第278号、石綿障害予防規則は2026-09-06に確認しました。トンネル内では位置、点検時間、通行規制などが調査計画に関係するため、図面と工事工程を早めに共有します。

トンネル天井板の工事前に確認すること

トンネル天井板の部位と設置状況と確認資料を整理する図
トンネル天井板の部位と設置状況と確認資料を整理する図

天井板を改修・撤去する工事では、対象となる区間、上り下りの別、天井板の位置、接続部、付近の設備を明確にします。同じ路線や同じトンネル内でも、工事範囲が異なれば調査対象も異なります。

確認する項目整理する内容資料の例
対象部位天井板、接続部、対象区間断面図、平面図
工事範囲改修、撤去、補修する位置工事仕様書、工程表
設置状況高さ、点検通路、近接設備現地写真、点検図
確認資料図面、点検記録、改修履歴設計図書、既存記録
確認時期通行規制、点検可能な時間工程表、作業計画

告示に掲げられるトンネルの天井板

告示第278号第12号にはトンネルの天井板が掲げられています。天井にある全ての部材を名称だけで同じ対象と扱わず、トンネルのどの区間、どの板、どの付属部材を工事するかを確認します。図面の記号と現地の位置を対応させます。

点検口、照明、配線、換気設備などが近接する場合は、天井板の工事範囲と別に記載します。撤去する天井板、残す天井板、補修する取付部を分けることで、調査記録と工事図面を照合しやすくなります。

改修・撤去の対象部分を整理する

工事仕様書には、対象区間、車線または線路の別、板の種類、固定方法、予定する作業を記載します。施工時に初めて見える裏面や接続部があるときは、位置と露出する工程を共有します。目視が困難な材料は、確認可能になった時点で事前調査を行います。

現地確認に交通規制や点検時間が必要な場合は、調査日と工事日を同じものとして扱いません。現地に入れる時間、調査する範囲、写真を撮る位置を工程表に示し、確認が必要な部位を残します。

調査者の資格を確認する

トンネル天井板の資格区分と着工日を確認する図
トンネル天井板の資格区分と着工日を確認する図

トンネル天井板に係る調査では、対象部位を告示の列挙と照合し、資格区分と工事の着工日を確認します。調査者に渡す資料には、対象区間と工事方法を含め、資格の表示だけで範囲を推測しません。

5号グループの資格区分

告示第276号第5号は、告示第278号第6号および第12号から第17号の工作物について、一般・特定建築物石綿含有建材調査者または工作物石綿事前調査者が調査を行う区分を定めています。トンネル天井板が第12号に当たるかを確認した上で、依頼先の資格証明と調査範囲を確認します。

着工日を基準に確認する

特定工作物に係る資格者調査の扱いは、2026-01-01以降の着工を基準に確認します。点検日、調査日、交通規制日ではなく、解体・改修の工事を開始する日を工程表で確認します。

発注時の確認表

トンネル天井板の図面現地確認記録を照合する図
トンネル天井板の図面現地確認記録を照合する図

発注時には、天井板の位置、工事の範囲、現地確認の条件、調査後に照合する記録を整理します。対象区間の表現を図面と見積でそろえると、作業日が分かれても確認の経緯を追えます。

図面と現地確認の範囲

平面図、断面図、点検図、過去の改修記録があれば、対象区間と天井板の位置を示します。図面と現地の表記が異なるときは、起点側・終点側、区間番号、写真番号などで対応を残します。資料にない部分は、ないことを依頼内容に記載します。

現地確認では、点検通路、照明、近接設備、立入り可能な時間帯を確認します。写真を撮る場合は、撮影場所と方向が分かるようにし、調査対象の板と周辺の部材を取り違えないようにします。

調査結果の記録

調査終了後の記録には、調査した部分、方法、材料ごとの石綿等の使用の有無、判断根拠、調査を行った者と資格に関する事項が残ります。対象区間、板の位置、工事図面の記号と記録の部位名が対応しているかを確認します。

工事日程と手続の確認

事前調査と14日前届出は同じ確認ではありません。届出は材料と工事内容によるため、天井板の名称だけで要否を決めず、調査結果と予定する作業を工事体制で確認します。通行規制や施工日程の調整では、調査結果を確認する時期も分けて管理します。

対象区間が長い場合は、調査の実施日と工事日を区間ごとに分けて記録します。天井板の取り外し順序や交通規制の内容を詳細に決める前でも、どの区間で現地確認を行うか、どの区間が工事で初めて見えるかを一覧にできます。工事対象の区間が追加されたときは、既存の調査記録にある区間と新たな区間を照合し、同じトンネル名だけで判断しないようにします。

天井板の確認資料には、トンネル名だけでなく、調査対象の区間を特定できる情報を残します。点検図の記号、起点側・終点側、写真番号、車線や線路との位置関係を併記すると、夜間の現地確認と後日の工事図面を照合しやすくなります。工事の範囲が隣の区間へ広がる場合は、同じ天井板として扱わず、新しい区間の資料と調査の対象を追加して確認します。現地の照明や点検設備が近接する場合も、工事で触れる部位かを別に記載します。

特定工作物のアスベスト調査、アスベスト事前調査の義務、解体前のアスベスト調査の流れでは、対象範囲と工程の確認点を整理しています。関連する記事は事例・ケースから探せます。

トンネル天井板の対象区間と記録を照合する図
トンネル天井板の対象区間と記録を照合する図

トンネル内の位置は、図面の区間番号、起点側・終点側、写真の撮影方向を併せて示します。確認した天井板と工事する天井板を同じ資料で追えるようにし、調査日と施工日が異なる場合にも対象区間を取り違えないようにします。

点検図と写真の位置情報を併せ、同じ区間を後日の工事資料でも確認できるようにします。

通行規制や点検時間の制約で一度に全区間を確認できない場合は、調査した区間と未確認の区間を分けます。後日の工事で対象が広がるときは、工程表と図面に追加区間を記載して、既存記録に含まれる範囲を確認します。

区間ごとに対象部位を記録し、工事図面と照合します。

トンネル天井板の工事では、夜間の点検、交通規制、施工日の順番により、確認する区間が分かれることがあります。依頼資料には、対象区間の起点・終点、天井板の位置、近接する設備、確認できる日時を記載します。点検図の記号と写真番号をそろえ、調査記録の対象区間を工事図面で追えるようにします。後から別の区間に工事が広がる場合は、既存の記録に含まれる区間と、新しく確認する区間を分けます。

トンネルの天井板を扱う工事では、区間の起点・終点、車線または線路との位置、点検図の記号、写真番号を同じ依頼資料に記載します。点検時間が限られて一部の区間だけを確認する場合は、確認済みの区間と、工事で初めて確認可能になる区間を分けます。照明、配線、換気設備などが近くにあっても、天井板の工事対象と混同せず、どの部材に作業が及ぶかを仕様書で確認します。工程の変更時には、追加した区間を調査記録と照合します。

天井板の対象区間が複数の工区に分かれる場合は、工区名だけでなく、点検図の記号と写真番号を使います。工事の変更で新しい区間に作業が及ぶときは、既存の記録の対象範囲を確認し、必要な確認を工程表に追加します。

調査した区間と工事する区間は、点検図の同じ記号、写真番号、起点・終点で確認します。工区が追加される場合には対象を改めて整理します。

よくある質問

Q. トンネル内のすべての部材が同じ扱いですか
同じ扱いとは限りません。トンネルの天井板として工事する部位、接続部、近接する設備を分け、対象区間と工事内容を図面で確認します。名称だけで全ての部材を同じ対象にしません。
Q. どの資格者に依頼しますか
トンネルの天井板が告示第278号第12号に当たる場合は、告示第276号第5号の区分を確認します。一般・特定建築物石綿含有建材調査者または工作物石綿事前調査者の資格証明と、今回の調査範囲を依頼先に確認します。
Q. 14日前届出も必要ですか
事前調査と14日前届出は分けて確認します。届出は材料と除去する作業の内容によるため、天井板の名称だけで決めず、調査結果と工事仕様を工事体制で確認します。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    石綿障害予防規則(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.
    大気汚染防止法(laws.e-gov.go.jp)