遮音壁を撤去・改修する前のアスベスト事前調査
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
遮音壁は告示第278号第14号に掲げられる工作物で、告示第276号第5号の資格区分を確認します。遮音壁という名称だけで扱いを確定せず、工事対象の部位、設置状況、図面の記載を資格者に示して確認します。
告示第276号、告示第278号、石綿障害予防規則は2026-09-06に確認しました。道路・鉄道沿線では、設置区間、支柱、パネル、近接施設を分けることが、調査範囲を整理する土台になります。
遮音壁の工事前に確認すること

遮音壁の撤去・改修では、パネル本体、接続部、支柱、基礎近くの部位などに作業が及ぶことがあります。工事対象は沿線全体ではなく、どの区間のどの部位を扱うかを図面と写真で整理します。
| 確認する項目 | 整理する内容 | 資料の例 |
|---|---|---|
| 対象部位 | パネル、支柱、接続部、対象区間 | 平面図、断面図 |
| 設置状況 | 道路側・線路側、周囲の施設 | 配置図、現地写真 |
| 工事範囲 | 撤去、改修、補修する部位 | 工事仕様書、工程表 |
| 確認資料 | 図面、点検記録、改修履歴 | 設計図書、既存記録 |
| 現地条件 | 通行規制、立入り、作業時間 | 作業計画、工程表 |
告示に掲げられる遮音壁
告示第278号第14号には遮音壁が掲げられています。道路沿い、鉄道沿い、敷地境界にある壁を一律に同じ対象と決めず、遮音のために設けられた工作物か、今回どの部位を工事するかを資料で確認します。
図面上の壁番号、区間番号、支柱番号と、現地の位置を対応させます。複数の工区に分かれる場合は、工区名だけでなく、始点と終点、道路側・線路側などを添え、同じ呼び方で見積と調査依頼に記載します。
工事対象の部位を整理する
パネルを撤去するのか、表面を補修するのか、支柱や取付部に作業が及ぶのかを工事仕様書で確認します。工事内容が違えば、調査で確認する材料の位置も変わります。対象外の区間や残す部材も分かるようにします。
現地で見えない裏面や接続部があるときは、位置と見えない理由を記録します。撤去や開口の後に確認可能になる材料は、工程上の時期を示し、調査者と連絡する方法を工事担当者と確認します。
調査者の資格を確認する

遮音壁の調査を依頼するときは、対象範囲、告示との対応、調査を行う者の資格証明、着工日を同じ依頼資料で確認します。資格名を知ることだけで、対象部位の調査が済むものではありません。
5号グループの資格区分
遮音壁が告示第278号第14号に当たるかを、設置状況と工事対象部分で確認します。依頼先には、対象となる区間と部位を示し、告示第276号第5号の区分に対応する調査者がどの範囲を確認するかを確認します。
着工日を基準に確認する
特定工作物に係る資格者調査の扱いは、2026-01-01以降の着工を基準に確認します。調査のための交通規制日や現地確認日ではなく、工事を開始する日を工程表で確認します。
発注時の確認表

発注資料では、沿線の位置情報と工事対象の部位を分けて示します。図面のない区間や、写真でしか確認できない部分も、資料の有無を明記して現地確認の対象にします。
図面と写真を共有する
配置図、平面図、断面図、点検記録、改修図、写真があれば、対象区間と壁番号を示します。写真には撮影場所、方向、写るパネルや支柱の番号を添えます。古い写真は現況と異なる可能性があるため、現地確認の範囲を共有する資料として扱います。
調査の範囲を確認する
見積では、対象区間、パネル・支柱・接続部などの調査範囲、現地確認、採取・分析の可能性、報告書の内容を確認します。工事中に追加する区間や、初めて露出する部位は、最初の対象と区別できるようにします。
調査記録を確認する
調査終了後の記録には、調査した部分、方法、材料ごとの石綿等の使用の有無、判断根拠、調査者と資格に関する事項が残ります。区間番号、部位名、図面の記号と記録の表現が対応しているかを確認します。
沿線工事では、道路側・線路側、上り下りの別、始点・終点の表記が資料ごとに異なることがあります。依頼時に使う区間名を一つ決め、図面番号、写真番号、支柱番号を同じ一覧で対応させます。遮音壁の一部だけを補修する場合にも、工事で接触する接続部や周辺部材を確認し、記録にある対象範囲と工事仕様を照合します。規制時間が変わる場合は、現地確認できる区間が変わらないかを工程表で確認します。
遮音壁は、道路や線路の延長に沿って複数の形状や高さで設けられていることがあります。今回の工事の境界を始点・終点だけでなく、図面の壁番号や支柱番号で確認します。パネルを一部取り替える場合にも、取り外す部位、残す部位、近接する接続部を写真と図面で分けます。外側から見える状態と、工事で初めて見える状態が異なるときは、調査時の確認範囲と工程中に確認する範囲を別に記録します。
現地確認の日には、交通規制の範囲、道路側・線路側の立入り、写真を撮る位置を調査者と共有します。工事の都合で確認する区間が変わった場合は、以前の区間の記録を別の区間へ読み替えず、変更後の位置を図面に示します。遮音壁に近接する照明、配線、標識などは、工事に含まれるかを仕様書で確認し、同じ部位名にまとめません。
特定工作物のアスベスト調査、アスベスト事前調査の義務、アスベスト調査会社の選び方では、対象範囲と依頼資料の確認点を整理しています。関連する記事は事例・ケースから探せます。

遮音壁の施工区間を複数日に分ける場合は、各日の調査対象と工事対象を図面の同じ記号で確認します。道路側と線路側で名称が異なるときは、写真の撮影方向も残します。調査後に補修範囲が増えた場合は、既に確認したパネルと新たに触れるパネルを分けて依頼します。
沿線の工事資料では、区間名、壁番号、写真番号を対応させます。調査時と工事時で通行規制の範囲が変わる場合も、対象部位の記録を確認します。
遮音壁の改修では、同じ工区の中に異なる高さや構造の区間があることもあります。現地で確認した範囲を写真番号と壁番号で残し、工事仕様書の対象区間と照合します。部材を追加して扱う場合は、既存の調査記録で確認した位置と混同しません。
調査記録の受領時には、道路側・線路側、支柱番号、対象パネルの位置を工事図面と照合します。補修する位置が追加される場合は、追加区間の資料を渡して確認します。
遮音壁の工事では、道路側・線路側、工区、支柱番号、パネルの位置によって対象を確認します。壁の一部を撤去する場合も、隣接する部材や取付部に工事が及ぶかを仕様書で確認します。現地で確認できる面と、撤去後に初めて見える面があるときは、写真と工程表で位置を分けます。通行規制の日程が変わる場合には、調査できる区間に変更がないかを確認し、調査記録と工事図面の区間番号を照合します。
遮音壁の調査依頼には、道路側・線路側、工区、対象区間の始点・終点、パネルや支柱の番号を記載します。施工図と現地の呼び方が違うときは、写真番号で対応を残します。夜間の規制時間や立入りの条件によって確認できる区間が変わる場合は、確認済みの区間、未確認の区間、工事で露出する部位を工程表で分けます。撤去・補修の範囲が変更されたときは、調査記録にある対象部位と追加する部位を照合します。
工事中に遮音壁の裏面や接続部が露出する場合は、最初の現地確認と別に、確認できる時期を工程表に記録します。工事資料の区間番号と調査記録の区間番号が異なるときは、写真番号や位置情報で対応を確認します。
見積書に記載された対象区間と、現地写真・図面の位置を照合し、工事で追加する部位があるときは別に記録します。
よくある質問
- Q. 遮音壁なら必ず工作物ですか
- 名称だけで必ず工作物と決めません。遮音壁としての設置状況、構造、工事対象部分を図面や写真で整理し、告示との対応を資格者に確認します。
- Q. 調査者の資格は何を見ますか
- 対象区間と工事する部位を示し、告示第276号第5号の区分に対応する資格証明と、調査する範囲を依頼先に確認します。氏名や資格名だけでなく、見積の対象が一致しているかを見ます。
- Q. 図面がない場合はどうしますか
- 図面がないことを伝え、手元の写真、点検記録、対象区間、工事範囲を共有します。現地で確認する部位と、工事で露出してから確認する部位を分けて整理します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.石綿障害予防規則(laws.e-gov.go.jp)
- 2.石綿障害予防規則に基づく事前調査の実施に必要な知識を有する者(mhlw.go.jp)
- 3.工作物石綿事前調査者に係る工作物の範囲(mhlw.go.jp)