ボイラー・反応槽・貯蔵設備のアスベスト事前調査|資格者と確認点
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
ボイラー・反応槽・貯蔵設備のアスベスト事前調査|資格者と確認点
ボイラー、反応槽、貯蔵設備などを含む工事では、告示上の対象名称と除外規定を照合して調査者の区分を確認します。設備の通称だけで特定工作物に当たると決めるのではなく、工事範囲、設置状況、告示の名称と括弧書きまでを分けて確認することが必要です。プラント設備を保有する発注者は、設備台帳と図面を早めにそろえます。
この記事では、告示に示された名称と調査者の区分を、発注準備のための一般的な確認項目として整理します。個別設備が特定工作物17種のどれに当たるかは、本記事では断定せず、所轄の労働基準監督署や都道府県の窓口への確認と分けて扱います。
プラント設備の事前調査で確認する対象(早見表)

石綿障害予防規則第3条第4項は、事前調査を厚生労働大臣が定める者に行わせることを事業者に求めています。特定工作物の名称は令和2年厚生労働省告示第278号が定め、調査を行う者の区分は令和2年厚生労働省告示第276号が定めます。石綿障害予防規則の現行版の最終改正施行日は2026-04-01、確認日は2026-09-06です。
| 確認する順序 | 見る資料 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 名称の照合 | 設備台帳、図面 | 告示第278号の名称と工事対象 |
| 除外規定の確認 | 告示第278号の括弧書き | 建築設備、用途、発電種別など |
| 区分の確認 | 告示第276号 | 調査を行う者の区分 |
| 工程の整理 | 工事範囲、開始予定 | 調査、記録、報告の確認時点 |
反応槽、加熱炉、ボイラー及び圧力容器、焼却設備
令和2年厚生労働省告示第278号の第1号から第5号には、反応槽、加熱炉、ボイラー及び圧力容器、配管設備、焼却設備という名称があります。これは特定工作物17種の名称を定める告示であり、現場で使う設備名と一致するかだけで、個別の設備が該当すると決めるものではありません。告示第278号は2022-04-01に施行されており、確認日は2026-09-06です。
配管設備には、建築物に設ける給水、排水、換気、暖房、冷房、排煙などの建築設備を除くという括弧書きがあります。工事対象がどの設備のどの部分かを、台帳、図面、設置状況で確認し、名称の似た設備を一律に同じ扱いにしません。17種全体と調査者の分岐は、特定工作物17種の調査対象と資格区分で確認できます。
貯蔵設備、発電・変電・配電・送電設備、配管設備
令和2年厚生労働省告示第278号の第7号から第11号には、貯蔵設備、発電設備、変電設備、配電設備、送電設備が掲げられています。第11号の送電設備はケーブルを含むとされ、名称の範囲を確認する必要があります。これらも、工場内での通称だけで該当性を断定するのではなく、告示上の名称と工事範囲を照合します。
貯蔵設備には穀物を貯蔵するための設備を除く、発電設備には太陽光発電設備および風力発電設備を除くという規定があります。除外規定があることは、一般名の設備をそのまま特定工作物と扱えない理由です。発注前には、設備の用途、設置場所、撤去または改修する部分を、調査を依頼する側でも整理します。
告示の除外規定と資格区分

17種の名称と、調査を行う者の区分は別の告示で定められています。令和2年厚生労働省告示第278号は特定工作物の名称を第1号から第17号まで掲げ、令和2年厚生労働省告示第276号はその号のグループに応じて調査者の区分を定めます。二つの告示の号番号を混ぜないことが、資格確認の基本です。
令和2年厚生労働省告示第276号の工作物に関する第4号・第5号の区分は、2026-01-01以降に着工する工事から適用されています。これはすでに施行されている取扱いであり、確認日は2026-09-06です。資格に関する説明では、正式な調査者名を使い、講習の内容や受講条件など確認できない事項を補いません。
配管設備、貯蔵設備、発電設備で見落とさない除外規定
除外規定は、設備名を見ただけで判断しないための重要な情報です。令和2年厚生労働省告示第278号では、配管設備から建築設備を除き、貯蔵設備から穀物を貯蔵するための設備を除き、発電設備から太陽光発電設備と風力発電設備を除きます。これらの内容は同告示第4号、第7号、第8号にあり、確認日は2026-09-06です。
除外規定に当たるかどうかも、一般名だけで結論を出すものではありません。設備台帳、設置状況、改修・撤去する範囲を整理したうえで、告示の文言と照合します。発注側は、確認のために必要な資料を先に共有し、設備の名称だけを根拠に調査者を決めないようにします。
告示第276号第4号に当たる設備で確認する工作物石綿事前調査者
令和2年厚生労働省告示第276号第4号は、令和2年厚生労働省告示第278号第1号から第5号までおよび第7号から第11号までに掲げる工作物の解体等の作業について、工作物石綿事前調査者を定めています。第276号は調査を行う者の区分を定める告示、第278号は特定工作物の名称を定める告示という役割の違いがあります。確認日は2026-09-06です。
工作物石綿事前調査者は、登録講習機関の講習修了者として定められた調査者の区分です。個別設備を第4号の対象と断定する前に、まず工事対象と告示第278号の名称・除外規定を照合します。依頼先の資格説明と工事範囲を確認する方法は、アスベスト調査の依頼先を選ぶ確認項目も参照してください。
発注前にそろえる設備情報

設備ごとの該当性を急いで決めるより、調査に必要な情報をそろえるほうが、発注時の確認を進めやすくなります。設備台帳にある名称、図面にある接続関係、現地での設置状況、今回の工事範囲は、それぞれ異なる情報です。一つの資料だけで結論を出さず、調査時に照合できるようにします。
設備台帳、図面、設置状況、工事範囲を整理する
設備台帳には設備名、図面には配置や接続、現地には実際の設置状況が表れます。解体等の対象となる部分をこれらの資料上で対応付けると、文書確認と現地確認の範囲を共有しやすくなります。事前調査は、設計図書等の文書と目視により全ての材料について行うのが基本です(石綿障害予防規則第3条第1項・第2項、確認日2026-09-06)。
工事範囲には、設備本体だけでなく、接続する配管や周辺部材が含まれることがあります。どこまでを今回の解体等の対象とするかを、発注書、図面、現地情報で分けて整理します。調査の工程を組む際は、解体前のアスベスト調査の流れを参考に、資料整理から結果確認までを着工前に配置します。
個別の該当性を急がない確認順

一般名で呼ばれる設備は、告示上の名称と完全に同じとは限りません。除外規定も含めた照合と、個別工事について所轄窓口へ確認することは別の工程です。発注側は、資料をそろえてから確認依頼を行うことで、調査対象と調査者の区分を取り違えにくくなります。
告示の名称照合と所轄窓口への確認を分ける
最初に、令和2年厚生労働省告示第278号の正式名称と括弧書きの除外規定を、設備台帳や図面の情報と照合します。次に、個別設備が17種のどれに当たるかという判断は、工事範囲を示して所轄の労働基準監督署や都道府県の窓口へ確認します。告示の名称を紹介することと、案件ごとの該当性を断定することを分けるのが重要です。
調査後に受け取る記録では、調査した部分、調査方法、材料ごとの判断、調査者情報を確認します。アスベスト調査報告書で確認する記載事項を参照し、設備情報と調査結果の対応を整理してください。記録には石綿なしと判断した根拠も必要であり、根拠は石綿障害予防規則第3条第7項第8号です。確認日は2026-09-06です。
よくある質問

太陽光発電設備も同じ対象か
令和2年厚生労働省告示第278号の発電設備には、太陽光発電設備と風力発電設備を除くという規定があります。個別の工事範囲は、告示の正式名称と除外規定を照合して確認します(令和2年厚生労働省告示第278号第8号、確認日2026-09-06)。
設備の名称だけから特定工作物かどうかを断定しません。対象となる部分、設置状況、工事内容を整理して、必要に応じて所轄窓口へ確認します。
穀物を保管する設備はどう扱うか
令和2年厚生労働省告示第278号の貯蔵設備には、穀物を貯蔵するための設備を除くという規定があります。個別の該当性は、設備の名称だけで決めず確認します(令和2年厚生労働省告示第278号第7号、確認日2026-09-06)。
除外規定の文言を確認し、今回の工事が対象とする部位と設備の用途を資料で整理します。名称が似ていることだけを理由に、対象の結論を先に決めないことが必要です。
建築物調査者だけで対応できるか
令和2年厚生労働省告示第276号第4号に掲げる特定工作物の工事では、工作物石綿事前調査者の区分を確認します。対象の区分は工事内容と告示の号を照合します(石綿障害予防規則第3条第4項、令和2年厚生労働省告示第276号、確認日2026-09-06)。
令和2年厚生労働省告示第276号第4号が指すのは、令和2年厚生労働省告示第278号第1号から第5号までおよび第7号から第11号までのグループです。個別の設備がこのグループに当たるかは、設備名だけでは決めず、告示の名称・除外規定と工事範囲を照合します。
まとめ
プラント設備のアスベスト事前調査では、令和2年厚生労働省告示第278号の名称と除外規定、令和2年厚生労働省告示第276号の調査者区分を分けて確認します。ボイラー、反応槽、貯蔵設備などの一般名だけで個別設備の該当性を決めず、設備台帳、図面、設置状況、工事範囲を整理することが重要です。判断が必要な個別工事は所轄窓口に確認し、調査記録と工事範囲を照合してください。
次に読む記事として、特定工作物17種と資格分岐、依頼先の確認項目、解体前調査の工程、調査報告書の確認項目を案内します。関連テーマは法令・制度解説の記事一覧からも確認できます。
出典
- 石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)(laws.e-gov.go.jp)
- 令和2年厚生労働省告示第278号(mhlw.go.jp)
- 令和2年厚生労働省告示第276号(mhlw.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。石綿障害予防規則の事前調査義務・資格者制度・調査費用の構造について、e-Gov・厚生労働省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
asbestos-hikaku.comは、YDAIコンサルティング株式会社が運営する情報メディアです。掲載情報の収録基準・出典の考え方は情報の収録基準と運営方針をご覧ください。
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